今回のこのコラムでは、題名の通り
「コンドロイチン」「グルコサミン」
について、私個人の意見として書かせていただきます。
日々治療を行っていると、
患者様より良く質問されるのが、
⇧上記の2つの「健康食品」についてです。
Aさん
「ねぇ、先生、ちょっと聞きたいん
だけど。テレビショッピングでやっ
てた○○のコンドロイチンって効く
みたいだけど、どうなのかしら?」
Bさんに至っては
「私、今度○○のグルコサミン買って
みようと思っているんだけど、
グルコサミン飲めばこの背中の痛み
取れるわよね?」
私
「ごめんなさい (@_@;)
正直、僕には解りません… (>_<)」
「それより○○さんの痛みを良く
出来なくて・・・すみません」
「でもね、○○さんがどのくらい
痛みが無くなる事を期待しているか
は解らないけど、たぶんたぶん…
あまり変わらないと思いますよ???」
「だってそれが本当に効果的な物で
あるならば、病院で処方薬として出
されているはずでから・・・」
ほとんどがこんなやり取りです。
私がもう少し患者様の悩みを楽にしてあげる事が出来れば、
このような考えを持たれないのでしょうが。
更なる修行をしないと・・・。
まだまだですね。
では今回の本題。
まず最初にコンドロイチンとグルコサミンについて、
どのようなものなのかを簡単に解説してみます。
【 コンドロイチン 】
コンドロイチンとは、
関節軟骨や皮膚などの細胞の間に
多く含まれるムコ多糖類、
プリテオグリカンです。
コンドロイチンは年齢とともに減少する物質で・・・ん???
【 グルコサミン 】
グルコサミンとは糖の一種で、
グルコースにアミノ基が付いた
アミノ糖である
なんのこっちゃ?????
この文章を読んでも意味がわからない方が大半だと思います(笑)。
ではもう少し解りやすく解説します。
【 コンドロイチン 】
最初にムコ多糖類。
これは、ムコ→「粘液性」。
多糖類→
「アミノ酸を有する多糖の総称」
の事です。
コンドロイチン自体は体の中の
いろいろな部位に存在し、
各々の細胞に水を取り込む能力に優れ、
細胞同士の潤滑剤として機能する成分です。
しかしコンドロイチンは年齢と共に減少します。
その結果関、節痛や皮膚のシワ・老眼の原因ともなってしまいます。
主な働きは?
体の関節の軟骨や皮膚の柔軟性と
弾力性を保ち、軟骨と軟骨の摩擦
などを防ぐ働きをします。
またコンドロイチンは、グルコサミン
と共に働き常に再生される関節の軟骨
(プリテオグリカン:タンパク質と
多糖質の複合体やコラーゲン)の再生
や皮膚の代謝の手助けをするという
物質です。
[グルコサミン]
アミノ糖の一種類です。
グルコサミンは体内で合成される
物質です。
グルコサミンも年齢とともに体内での
合成は年々減少していきます。
その結果関節面に摩擦が起こりやすく
関節痛を発症したりします。
主な働きは?
軟骨そのものの潤滑や軟骨の
再生・修復です。
さてさて、少しややこしい説明となって
しまいましたが、簡単でストレートな
表現で説明すると
コンドロイチン → 「軟骨の修理」
グルコサミン → 「軟骨の再生」
となるわけです。
さてここからが本題です。
これらを食品の一部として摂取する事
により腰や膝の痛みが減少するかと言う事
です。
このコラムに興味を持ち読み進んでいらっ
しゃっている方々は、既に何かしらの方法
で調べている事ととは思いますが、
多くの学者の医学的見解では、この
コンドロイチン&グルコサミンは
【医療的効果は疑念的 】
という意見が大半です 。
学者の考え方はこのような感じです。
「コンドロイチンやグルコサミンを食品として摂取します。
それらは胃や腸で消化分解され、更に腸で吸収します。それはアミノ酸などに変化し血液に乗り、病んでいる患部に到達するまで、いったいどの位成分が残っているのでしょうか?」
といった具合です。
ヒアルロン酸注射の様に、患部に直接与えるのであれば理にかなっていますが・・・。
更にもっと簡単な例を挙げてみましょう!
Aさんは最近、頭部の抜け毛で非常に悩んでいます。それはそれは夜も眠れないほど深刻な悩みです。
Aさんは「ふと」考えました!
「そうだ、もともと髪の毛は髪の毛を生やす栄養の塊なのだから、毎日抜けるこの髪の毛もったいないから食べちゃおう!そうすれば髪の毛もっと生えてくるはずだ!」
↑ ↑ ↑
学者の見解はこんな感じですね(笑)
しかししかしですよ、この二つの健康食品については、実際に効果を実感する方がいるのも現実なのです。
それはプラセボ的な効果なのか、本当に状態が良くなっているのかは分かりませんが、楽になったという話は何人かの方々にお聞きしました。
しかもその中には私が通学していた専門学校で、整形外科学を教えていた現役の整形外科医も本人の実体験として「腰の痛みが取れた!」と授業の中で話をしていました(笑)。
ではいったいどっちなの?
「効くの? 効かないの?」
そこで私がこれらの健康食品について質問された場合には、このようにお伝えしています。
「Aさん、現在の痛みを数字の0(痛みがない状態)~10(自分の考えられる最大限の痛み)で表すとどの程度ですか? それをカレンダーでも良いしメモでも良いので、記録として残しておいて下さい。
そこから健康食品を始めて下さい。
健康食品の場合、医薬品と違ってすぐに効果が表れる物でもないので最低1か月、できれば2~3か月間続けてみましょう。
そこで再び0~10の数字で表して記録して下さい。
そしたら今度は、いっさいの健康食品は1か月~2か月中止してみましょう。
そこでもう一度、0~10の数字でその時の状態を記録して下さい。
その時に健康食品を飲んでいた時に痛みが和らいでいたのなら、Aさんにはその食品が合っているのだと思います。続けたら良いですよ。
これは0~10というペインスケール(痛みの指標)を利用した測定です。
痛みを数字と言う観点で測定できますので、グルコサミン・コンドロイチン・ヒアルロン酸などに興味がある方は、是非この方法を用いて試してみて下さい。
それよりも問題なのは、消費者庁の外郭団体である「国民生活センター」(http://www.kokusen.go.jp)の調べによると、「グルコサミンの配合量は表記されている配合量には遠く及ばない」という問題です。
こちらの方がずっと問題だと思いますので、皆様はこれらを摂取する際には、そこまで良く考慮しご購入下さいね。