このコラムでは
腰椎椎間板ヘルニアに
ついてお話致します。
20~40代に多いヘルニアですが、
ヘルニアって聞くと皆様
「腰が痛くなる病気でしょ?」
って思われると思います。
そもそもヘルニアという
言葉の意味は「飛び出る」です。
つまり何かがその場から飛び出て
悪さをするというわけなのですが、
さてそれは一体何なのか…。
ここで簡単に骨のお話(^-^)
人間は脊椎動物ですので
必ず脊柱=背骨があります。
いまこのコラムを観て頂いている
貴方にもありますよね??(笑)
その背骨1つ1つを椎骨といい、
大きく場所により5か所に
分けられています。
上から頸椎(けいつい)・胸椎(きょうつい)
腰椎(ようつい)・仙椎(せんつい)
尾椎(びつい)
と並んでいます。
人によって数に
誤差がある場合がありますがそれぞれ
頸椎=7個、胸椎=12個、腰椎=5個、
仙椎=5個、尾椎=3~5個が
連なって並んでいます。
その椎骨の間には板状の軟骨が挟まっており、
衝撃を緩和したり背骨が柔軟に
動くようにサポートしています。
それを椎骨の間にある板で
椎間板といいます。
皆様聞いた事があるのではないでしょうか?
一旦話をまとめると…
椎間板ヘルニアとは、
背骨の間にある椎間板が
正常の位置から飛び出てしまった状態。
という事になります。
飛び出具合が大きいほど
重症とされており、
神経の圧迫も
大きくなると言われています。
ちなみに仙椎と尾椎の間は
骨同士が直に
くっついてしまっているので
椎間板はありません。
椎間板は主に背中側に
飛び出る場合が多く、
それが厄介者でして…
後ろに飛び出た椎間板の先には
脊髄から細くなった
神経の束のようなもの「馬尾」
つまり神経の本管があります。
そこに椎間板が接触することにより
神経を圧迫し痺れ等の
感覚障害や腰痛、
筋肉への神経伝達の低下による
筋肉運動の障害や腱反射の消失、
排尿障害がでてしまうのです。
ちなみに、
ヘルニアによる腰痛を訴える方は
腰痛を訴える方の中の約5パーセント
とかなり少ないです。
つまりは適切な検査を行わず
ヘルニアだと思い込んでいる方も
いらっしゃるようです。
ヘルニアの確定診断には
レントゲンではなくMRIが必須です。
レントゲンには骨しか映りません。
(内臓や血管の検査、
マンモグラフィー等で
造影剤を飲んでいる場合は別ですが)
ここで疑問なのですが
①ヘルニアって腰でしか起きないの??
②ヘルニアってどう治すの??
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
その疑問、
頑張ってお答えいたします。(/・ω・)/
①ヘルニアって腰でしか起きないの??
という疑問ですが、
腰以外でも発生します!
椎間板がある部分では
発生する確率は大いにあります。
腰以外でよく聞くのは
頸椎の椎間板ヘルニアです。
ストレートネックや
急激な首に対する力が加わると
椎間板が飛び出でしまい、
頸部~肩、そして両腕や指先
に運動障害や神経障害が
発生してしまいます。
ちょっと観点が違うのですが、
腸が腹膜や筋肉の間から
外に飛び出る脱腸も
別名鼠径ヘルニアと呼ばれていますので、
ヘルニアの一種です。
②の治療法についてですが、
手術をする場合と
手術をしない場合に分けられます。
手術をする場合、
昔は背中を切り開いて
そこから飛び出た椎間板を取り除く
というものが行われていた様ですが
現在は小さい切開で
内視鏡による手術が主流のようです。
ただ、手術が適用になる
椎間板ヘルニアは割と少なく
ほとんどは保存療法、
つまり手術をせずにリハビリや
運動指導をする場合が多いです。
手術をしない場合、つまり
当院での治療方法になるのですが
飛び出た椎間板にアプローチする
というわけではなく
(直接触れないので)
椎間板に圧力がかからないように
腰椎や腰部の筋肉を狙い
施術をしていきます。
腰椎は横から見ると
前に飛び出ています。
そのアーチが大きすぎたり、
猫背や姿勢が悪く椎間板に
圧力がかかりやすい方は
その位置を整える。
背中から腰・脚の筋肉の過緊張、
逆に運動不足による
腰の安定性の低下や柔軟性の低下
なども原因となる場合があるので
それを解消するための施術や
運動指導なども行います。
上にも記載しましたが、
そもそもヘルニアではなく
別のものが原因で腰痛を
訴える方も方が多いですので
その部分も含めて
問診等で検査させていただきます。
ヘルニアに限らず、
腰や脚に痺れや痛みがある方は
早めの治療をお勧め致します。